2015年9月19日土曜日

演奏会聴取記録・2015年9月5日 デリック・イノウエの青ひげ公

今日デリック・イノウエでブリテンを聴いたのですが、それを聴く気を起こした青ひげ公の演奏会について。
(ほぼmixiの日記の再掲です)

この日は本来前日聴くはずだった新日フィルの定期でバルトークを聴きました。
○新日本フィルハーモニー交響楽団#546 定期演奏会
開演:2015年9月5日(土)14:00
会場:すみだトリフォニーホール
曲目:バルトーク作曲作品
ピアノ協奏曲第3番
歌劇『青ひげ公の城』op.11(演奏会形式)
ピアノ:小菅優
青ひげ:アルフレッド・ウォーカー
ユディット:ミカエラ・マーテンス
指揮:デリック・イノウエ

ピアノ協奏曲第3番
生で聴くのは初めてかも…(むかしラジオで聴いた)
バルトークの作品の中でも最も温和で美しく、しかし大衆に迎合するところは最も少ない部類の音楽であろう。
それを小菅優は軽やかなタッチで弾きながら楽想が楽しげにならず中低層にたゆたっているのはさすがに自家薬籠中以上の物にしているからか。
第2楽章の擬似コラールなどは絶品だ。
第3楽章の、明るくは決してないが熱さは内包する音楽は駆け上がるような演奏でまさに飛翔した。
最後に翔びきるところだけ書けなかったんだ、バルトーク。
奏者アンコールにミクロコスモスの蠅の物語とは只者とは思えない

歌劇「青ひげ公の城」
演奏会形式ですが簡単な舞台が設営されている。
白いテーブルと花瓶に入った花。
以前聴いたインバルは膨大な編成で日記を見たら「織田信長と濃姫と安土城にしか聴こえなかった」なんて書いてあったけど、この日の演奏は緊縮の極み。
心理劇としてのこの二人劇に焦点を当てている。
デリック・イノウエ氏の指揮は誠実以上にバルトークの暗く強い芯の音楽を余すところなく表現。(再来週のシンフォニア・ダ・レクイエムを聴きたくなった。)
歌唱はユディットのミカエラ・マーテンスは優れていたが実は青ひげのアルフレッド・ウォーカーが真摯に実像に近かった。
個人的にはせっかく暗く強いのに血があるからって赤い照明はどうかと思ったけど、(あとドアを開けるギーという擬音もどうかと思ったけど、)演奏が納得でした。

ということで、再来週にイノウエ氏のブリテンを聴きに行こうとしています

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