2015年9月24日木曜日

甲斐説宗は甲斐宗運の子孫ではない(たぶん)

今日(水曜日・祝日)の夜に行ったコンサートです。

○<原田力男(1939-1995)歿後20周年追悼コンサート>
開演:2015年9月23日(水祝)19時
会場:公園通りクラシックス
曲目:
甲斐説宗/ピアノのための音楽 I
甲斐説宗/ヴァイオリンとピアノのための音楽 I
バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第1番 Sz.75
甲斐説宗/ピアノのための音楽 II
甲斐説宗/ヴァイオリンとピアノのための音楽 II
バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第2番 Sz.76
クセナキス/ディフサス
ヴァイオリン:甲斐史子
ピアノ:大井浩明

ピアノ調律師の原田力男氏の追悼コンサートです。
概ね初めて聴く曲。

甲斐説宗/ピアノのための音楽 I
甲斐説宗/ヴァイオリンとピアノのための音楽 I
早世した作曲家、甲斐説宗(1938-1978)の若い晩年の音楽。
名前が戦国大名阿蘇氏の軍師僧甲斐氏の名前に似てるけど関係ないらしい(たぶん)
※甲斐氏:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E6%96%90%E6%B0%8F
「ピアノのための音楽 I」はピアノの中音域をプリペアドにして音の高低の中間を特殊な音にしつつ低弦や筐体を直接叩いたりして大井氏が大暴れする曲。
「ヴァイオリンとピアノのための音楽 I」はヴァイオリンをギロみたいにしてこれも特殊な音を醸しつつピアノと組み打ち合いを演じる。
旋律とか和声とかそういうのは一通り無しにして音を一つ一つ組み上げ直すような感じ 音の意味とか拡がりとか考えた

バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第1番
まあなんというか甲斐説宗のあとでは古典的に聞こえるというか、マーラーの復活の葬礼をピアノで聴いたビューローがこれのあとではトリスタンもハイドンの交響曲のようだと言った気持ちが良くわかった。
古典というと言い過ぎなので、ドビュッシーくらいに聞こえた

甲斐説宗/ピアノのための音楽 II
甲斐説宗/ヴァイオリンとピアノのための音楽 II
こちらはさらに晩年の作品。
演奏者の大井氏曰く先刻の2曲よりはだいぶ穏やかになったという。
音一つ一つの彫塑という点ではさらに磨きがかかったと言えなくもない。
ヴァイオリンも先刻の曲のように弓の弦が切れ切れになったりすることはない。
上記2曲の合間に作曲家の一柳慧先生が客席に着座さる。

バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第2番
こうなってくるとだいぶ甲斐とバルトークの差も埋まってくる。
バルトークは叙情的と言ってもいい。

クセナキス/ディフサス
これが旋律も和声も音もなく(一応あるが)音的衝動の蠢くままの音楽
ですが聴いててこちらも衝動を感じる なかなかの体感音楽である

アンコールとして、一柳慧のパガニーニ・パーソナルのマリンバ部分を本日の独奏者の甲斐さんがヴァイオリンに編曲した曲を演奏。なんだ、それで先生登場したのか・・・
でこれが、旋律も和声も音もすべて一緒くたに綯い交ぜしたような凄まじい音楽で、今日の本編が全てこれの前奏に聞こえたほど。
してやられた!

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